吹付ウレタン断熱工事について

吹付ウレタン断熱工事用原液について

吹付ウレタン断熱工事ではドラム缶入りの原液を用います。JIS A 9526「建築物断熱用吹付け硬質ウレタンフォーム」では、原液についての規格が規定されています。当規格に規定する品質は、実際の施工を想定した一定条件の下で吹付け施工したときに得られる吹付け硬質ウレタンフォームの品質を特定しています。

〔原液の種類〕

JIS規格に規定されている種類で、主に使用されている原液の種類は以下の通りです。

種類
種類の区分 主な用途 備考
A種1H 壁,屋根裏などの用途に適する非耐力性吹付け硬質ウレタンフォーム原液。 マンション・ビル等のRC造で主に使用されています。
A種2H 冷蔵倉庫などの用途に適する耐力性吹付け硬質ウレタンフォーム原液。 冷凍冷蔵倉庫など100㎜以上などの厚さの用途で主に使用されています。
A種3 壁などの充塡断熱工法 a) 用途に用いることができる低密度非耐力性吹付け硬質ウレタンフォーム原液。 木造住宅専用の原液です。RC造には適しません。

注a) 充塡断熱工法とは,軸組みの間及び構造空間に断熱材を充塡する断熱工法をいう。

〔品質〕

吹付け硬質ウレタンフォーム原液の品質は、原液単体及びこれを用いて作製した吹付け硬質ウレタンフォームについて、JIS規格に規定する試験により以下の品質に適合しなければなりません。

品質
品質 A種1H A種2H A種3
粘度(20 ℃)
mPa・s
80~1,500
圧縮強
kPa
80以上 170以上
熱伝導率
W/(m・K)
0.026以下 0.026以下 0.040以下
接着強さ
kPa
80以上 100以上
透湿率
ng/(m・s・Pa)
9.0以下 4.5以下
燃焼性 燃焼時間が120秒以内で,かつ,燃焼長さが60 mm以下
〔吹付け硬質ウレタンフォーム原液製造業者〕

JIS規格では原液製造業者は「ポリイソシアネート成分及びポリオール成分を製造する者」とされています。当協会の賛助会としてに加入している原液製造業者は以下の7社です。

アキレス株式会社 旭有機材株式会社
倉敷紡績株式会社 積水ソフランウィズ株式会社
日清紡ケミカル株式会社 日本パフテム株式会社
BASF INOAC ポリウレタン株式会社